石巻市短期ボランティアを経験して伝えたい2つのこと


22日(金)夜、新宿発で宮城県石巻市に短期派遣ボランティアとして行ってきました。
ピースボート短期ボランティア

僕は2日間石巻市の側溝(道路の脇にある排水路)の掃除をしました。
作業内容は

  1. 側溝のふたを開ける
  2. 角スコップやデッキブラシを使い、ヘドロ、砂を掻き出す
  3. 土のう袋に詰める
  4. 側溝のふたを閉める

をしました。
ひたすら中腰姿勢なので、腰がきつかったです。

このボランティアを通して、僕が伝えたいことは以下の2つです。


1、現地はまだまだボランティアが必要である。

震災から4カ月以上たった今では、メディアは被災地の現状よりも原発や節電の話題ばかり報道するようになりました。
被災地の報道が減ることで、視聴者はもう被災地は復興しつつあると錯覚します。しかし、現場(石巻市)はまだまだ排水機能も回復していない状況です。


今回僕らの宿泊拠点となったカスカファッション(事故前は繊維工場、今は事業撤退)ではお風呂はもちろん、石鹸・洗剤の使用ができない状況です。
理由は排水設備が機能していないことです。
排水路にヘドロが溜まって悪臭を放つこと等により、ハエが大量発生しています。
2ℓのペットボトルで作られたハエ取りのトラップには、半分くらいハエでいっぱいになってるものがあったり、
外で休憩していると必ず何十匹もハエが寄ってきます。

見学で訪れた女川町は大きながれきこそ撤去されたようですが、いまだに復興の目途が立たないくらい壊滅的な状況でした。

上、女川町立病院の駐車場から撮影



ぜひ「女川町の津波の高さが尋常じゃない件」の動画も合わせてみていただきたいです。



2、いろんな人と出会える。

ピースボートの短期災害ボランティアでは、説明会の日に5,6人でチームを構成します。
チームメンバーになる人はその時の運次第ですが、ボランティアには大学生〜50才くらいまで幅広い人が集まります。
特に学生は社会人との交流機会が少ないため、ボランティアを通していろんな世代の人と出会えるのはいい機会だと思います。

また、ボランティア活動後に夜ミーティングをするのですが、
ここでは参加者の思いや参加の経緯が聞けます。
印象的だったのは、GWのボランティア初参加以降、毎週末被災地でボランティアしているという40才くらいの男性社会人の話でした。
男性が初めてボランティアした時には、被災者の家の復旧をしたそうです。
復旧先の家には60才の女性と女性の母が住んでおり、
彼女らはボランティアさんに頼むまではずっと親子で自ら復興ボランティアをしていました。
しかし、女性の母が体調を崩したため、今度はボランティアの方に助けてもらったとのことです。
男性にとって最初のボランティアがこの親子との出会いとなり、
「ネクタイ締めて仕事している場合じゃない」と毎週末ボランティアいくきっかけとなったそうです。
その他にもたくさんの参加者の熱い思いが聞け、いろいろ考えさせられることとなりました。

「いろんな人と出会える」こと自体は、直接自分のプラスにはならないかもしれないですが、
いろんな人と話すこと(意外に話す話題を見つけるのが難しい)やいろんな価値観を聞くことで何らかの形で自分のプラスにはなると思います。

最後に

ボランティアから帰ってきて改めて3.11関連の動画を見ました。
動画を見ることで、大地震の恐怖と震災の衝撃を少しだけ思い出せた気がします。
3.11の事件は天災だけでなく人災も被害を大きくした一因だといえます。
人間は嫌なことでも忘れたり、慣れていく生き物ですが、今回の事件はいつものように軽く慣れていってはいけないものだと思います。
一回しか被災地ボランティアしてませんが、回数うんぬんではなく、
今回行って思ったことを広く伝えるのも一つの支援だと感じ、思いをつづらせてもらいました。
復興はまだまだ進んでおらず、圧倒的に時間とマンパワーが必要です。
少しでも多くの人が少しでも多くボランティアしに行ってほしいです。